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俺節 第二部【書き起こし⑩】 [俺節]


俺節 第二部 書き起こし⑩



みれん横丁に戻ったコージの元に

北野がやって来た



北:実はな、ちょっと見てもらいたいものが

  あるんだ。

  おい、大橋!

住:巨泉か?



大橋巨泉…私は分かります。

これ、後々にも続くボケなので

分かる年代でよかった!と思ったよ(笑)



明らかにコージを見ながら


北:曲も詞もオキナワが書いた。

  もらってほしいやつがいるんだが

ええ?

北:ほら

いや、おら、受取れねべさ。

おら…いろいろあって、その、

こういうのは今いただいちゃ

北:どういう事情があるが知らねえがな。

  さあ、いっぺん見てやってくれ

だども、おら



渋っているところに

ギターをかき鳴らしながら

オキナワがやって来た



なに、もったいぶってんだよぉ!?

かっこつけずにさっさと受け取れ!

この田舎もん

オキナワ…

よっ!噂じゃデビューが

無くなったらしいじゃねえか

耳がはええな

テレサは?

故郷(くに)に戻ったよ

そう

うん

なら諸々、ちょうどいいわけだ

へ?

お前がなーんもかんもよぉ、

夢も希望も女もプライドも

なーんも無くなったら

俺とちょうどよくなると思ってたよ

北:ほらよ



北野がオキナワを促す。

コージに曲を見せるのだ



気軽な気持ちで見るなよ。

俺の想い、全部乗せたからな

じゃあやっぱり見ねえ

住:ええ?

そんな想い、背負えねえよ

いや、ちょっとくらい見ろよ

ちょっとも見ねえ

イントロだけでも見ろよ

勘弁してけろ



オキナワが見せようとするのから

コージは逃げ回る



帰ってけれ!

ここは元々、俺の横丁だよ

おらぁ、よけいなもの捨てて

自分だけんなって…

なのに自分のことだけでも

重荷に感じてるんだ。

今さら新しいものを

背負いこむことなんて

どうした?

おっかねえんだ



聞く耳を持たないコージに

オキナワは自分の想いが

思うように伝わらなくて

コージに詰め寄っていった



え?

オキナワが突然、

コージに殴りかかった

情けねえこと、言ってんじゃねえよ

おっかねえんだって

そう言いながら

コージもオキナワに殴りかかる

そういう顔するときのほうが

好きだぜ

見ねえからな

見ろよ

いやって

見ろ、こら

自分で歌えばいいべしゃ

俺じゃダメなんだよ。

どんだけ思いを込めて書いた曲も

俺一人じゃ客の心に届かない。

俺はなあ、

誰かの助けを借りないと

自分の想いを伝えられないんだ。

なあ、

北野のおっさんも言ってたろ!?

歌は

自分自身でなければならないっ!

それを否定されたら

自分の全てが否定されるような、

そんな歌を歌え!って。

北:そんなことは言ってない

住:言ったよ

住:言ってましたよ

北:じゃあ、言った!

これが伝わらなかったら

自分の全てが否定されるような、

そんな歌を書いた。

なのに

歌う前から否定しないでくれよ



ここまで言われても

コージは首を縦に振らない。

ひれ伏して頑なになっている



堪忍してけろ

こっちはもう吐いたゲロだ。

今さら飲み込めねえからな。

これは置いていく



伏しているコージの背に

歌詞を書いた紙を乗せ

オキナワは立ち去っていった



住:どうすんだよ?コージ

北:オキナワに言われたよ。

  俺とお前はよく似てるって。

へ?

大:奇遇だな。俺もコージと俺は

  同じだと言ったことがある

北:おお、そうか。

  それじゃ大丈夫だな。

  どっちに転んでも

  歌は捨てない。存分に悩め。

  はー、なんだか

  急に腹減ったな。

  超美味い馬、

  食わせる店があるんだ。

  行くか?

  動物愛護協会から苦情が来るほど

  食うぞ






大橋巨泉が

馬主でもあったことに掛けての

このギャグは私のお気に入り。

原作の時代に

実際に活躍していた人と

そのエピソードが

台詞に盛り込まれているので

お芝居がちゃんと

時代を映していて

リアリティが増す





オキナワの作った歌を

歌う、歌わない。。。

オキナワの迫力ある声と想いに対し、

言葉は多くないけど

簡単には気持ちを変えないコージ。

頑固者だ

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