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俺節 第二部【書き起こし⑥】 [俺節]


俺節 第二部 書き起こし⑥



テレサが入管に連れていかれてから

コージは変わった



上手に2階建てがあり、

そこはコージの歌のレッスン場だ。

ナホ先生が弾く、

前シーンのアウトロを

コージが歌っていた設定で幕が開いた。




ナホ:ものすんごいよかったよ。

  ナホちん、もうぐうの音も出ません

行代:パー



クスッとくる小ボケが聞き逃せない(笑)



ナ:今の、サビのところだけ

  もうちょっとやって

引っ越しをするなら教えてよ


アカペラで少しだけ歌うんだけど

ビブラートがとっても良くて

惚れ惚れする声です♡



ナ:ああ、いい!まる、まる、白鶴~

まる!


白鶴の酒のパッケージが「まる」なので(笑)

ここは「おじゃる丸」とかもありました



ナ:最近、どんどん良くなってるよ

そうかな?それならいいけどさぁ

ナ:あら、訛りもすっかり消えちゃって

行:ねえ?歌い方も少し変えた?

おっ、分かっちゃった?

行:私は前のほうが好みだったけど

  なんかあったの?

より多くの人に伝えるためには

訛りなんてよけいなものですからね。

ナ:すっごいよねぇコージくん。

  一生懸命変わったんだから。  

  ねえ見て!これ、麻よ、麻!

  ヘップ!これ着て見せたって

はい


壁に掛けていた麻のスーツの上着を

コージは軽やかに羽織ってみせた



ナ:こんなの着るようなっちゃって。

  すっかり東京人よ。

  オメガトライブかと思った


ふふふ、オメガトライブ分かります、私。

解説無しでわかる年齢でよかった(笑)



行:♪前の背広はどうしたの?♪

行代さんもちゃんと練習してくださいよ。

行:頭痛いの、二日酔い



そこに社長の戌亥がやってきた



社長、行代さんが

全然練習、してくれないんです。

戌亥:練習が必要な歌じゃねえだろ



そう言うと

「出前を取ろう」と奥に引っ込んでいった



行:ねえ、どんなデビュー、

  想像してきた?

へ?

行:こんなんでいいの?

デビューはデビューです!

良いも悪いもないです。

ナ:やっぱりなんかあった?

なんつーか、背負うものが無くなって

身軽になった

ナ:それ、最近女と別れた男が

  言いがちな言葉だね

はっはっは、いやいやそんな

ナ:いいの、いいの。それでいいの。  

  そっちのほうがいいの

とにかく今は、

自分自分て集中して頑張ろうって

行:でもあんた、踏み台だって、私の。

えっ?

行:1曲当たったらコンビ解散。

  そういう算段だよ、戌亥は。

踏んづけられるのはいつものことだべ。

それでも行く道、

行くしかねえ!って気持ちです



東京人になろうとしても

心の底にあるプライドは

上京したころと変わりはなかった



行代も5歳の頃から

ずーっとアイドルの自分を

夢に描いたまま、

夢を諦めきれずにいるのだった



俺、歌ってる時の行代さんは

好きです。

パアーっと光ってて



歌ってる時「は」と言ったことを

行代に指摘され、

弁明しようと焦ると

津軽弁になってしまって

コージはしどろもどろ



津軽弁を直そうと懸命なコージ、

歌のレッスンに励むコージ、

そうやって何事も頑張るコージを

目の前にして

行代も本気を出して頑張る気持ちに

スイッチが入った






その頃、

オキナワは

北野家の座敷牢にいた。

北野からは何のお咎めもなければ

指示もない。

渡されたのは長柄の箒1本だけ。



テレサは

入管で取り調べを受けていた。



それぞれがそれぞれの場所で生きている

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